続・のあろぐ

ゲーム、漫画、アニメで社会を豊かにしたいNoahの個人ブログ

ベンチャーブームが再び来ているのか?

 

vdata.nikkei.com

日経新聞にこんな記事が載っていました。

ベンチャーブーム再び

未上場企業の2015年の資金調達額は、1,658億円。ITベンチャーブームの2006年で1,472億円だったので、これを上回る資金が投じられています。低金利による金融機関の運用難などが、投資額を押し上げている背景もありそうです。

また、IPOも92社。これは、2006年時点の188社に及びませんが、M&Aなど、IPO以外のExitも増えてきたので単純に比較できない面はあります。かなり増加してきていると言えると思われます。

大学発のベンチャー数は1,773社と、2005年の1,430社から増加しています。大学別には東京大学が189社と1位で、2位の京都大学86社を大きく引き離しています。政府の成長戦略などを確認すると、大学発のベンチャーを育てるべく政策が打たれていますので、ここは伸びそうです。ただ、その中でちゃんと事業を成長できるベンチャーがどのくらい増えるかというのが肝ではあります。

開業時の平均年齢は42.4歳。ここは、まあこのぐらいかなという感じがしていました。比較的社会人経験を積んで起業する人も多いということでしょうか。

ただ、米国等と比べると見劣りする

ただ日本の起業力は、世界では大きく見劣りする。起業意欲を示す「総合起業活動指数(TEA)」という指標で比べると、日本は2014年調査で70カ国・地域中69位。途上国や新興国の意欲が高い傾向があるものの、主要7カ国(G7)でみても日本は米国やカナダの3分の1以下の水準だ。「失敗への恐怖心」が高く、「起業家への尊敬度」が低いといった日本人の国民性や職業観が壁になっている。

 失敗への恐怖心が高いのは、日本の雇用観なども影響していそうです。日本では雇用流動性がまだ低く、特に大企業の社員の起業はまだまだ多くはないようです。また、「起業するなんてすごい!応援するよ!」というような起業家への肯定度合いが低く、「起業って・・・失敗したら首吊るんでしょ?」というような誤った起業観(個人保証で借金するならともかく、有望な事業ではエクイティ(直接返済しないタイプの株式割当てによる増資)での資金調達が極めて一般的になっているので、そういった心配はありません。)がまだまだ蔓延っているということも要因ですが、一回起業すると大企業ではまだ受け入れの間口がそれほど広くない、ということも起業をためらわせる原因になっていそうです。

実は米国でも起業は元気がない

一方米国はというと、実は米国でも開業率は落ちていたりします。

jp.wsj.com

開業率だけで起業が元気がないというのは言い過ぎだとは思いますが、もう米国もGoogle, Facebookなどスーパーメガベンチャーが増えてきて、だいぶ飽和してきているのもあるかもしれませんが、この原因が何なのかというのは少し調べてみるのはアリっぽいです。

シニア起業に着目

経済を元気にするには、もっと日本で開業率が高まって、さらに良いベンチャーがたくさん出てくると生産性が高くなるのではないかと思っています。大企業だと、極めて非効率な仕事をしている一方、ベンチャーでは余計なしがらみがないので、効率は少なくとも上がると思うんですよね。一方、規模の経済が効かないので、ベンチャーが大きくなる必要はありますけど。まあ、仮説なのですが・・・

で、失敗を恐れて若者が起業しないのならば、もう失敗とか恐れなくてもいい、退職後の優秀な頭脳と経験をもてあましてるアクティブシニアとかが起業したらいいと思うんですね。実際、2012年に起業した方のうち、実に32.4%が60代以上という驚愕の結果が出ています。

https://vdata.nikkei.com/datadiscovery/18startb/img/ddnikkei18.pdf

これ、もしかすると節税目的とかで会社を立ててるだけなんじゃとも思えるわけなんですけども、まあ、とにかく狙い目なわけです。あとは、主婦の方が機械化などで家事を効率化できれば、もっと起業とかし易い環境になるかもしれません。

そういったわけで、このあたりの層を活発に活用・起業させる施策は求められているんじゃないでしょうか。もちろん、若くて血気にはやる20代・30代の優秀な若者が起業することのほうが、ワクワクはしますし、起業が成功した後長期的にその会社が存続するという意味では若い起業家のほうが有望なわけですけれども。

米国に比べると資金調達環境や雇用環境がまだまだ整えられていない、という話は極めて耳タコですが、少しずつ改善はされてきているので、この調子で加速されていくと良いなと思います。そのためには、大企業がもっと若い企業を活発に買収するなどが重要かもしれません。こちらからは以上です

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日本の生産性の低さは意味のない努力から来ていると思う

こんばんは。毎日更新ブログシリーズです。

最近、日本の生産性に対する記事を仕事柄よく読んでいます。

低い生産性をまずは確認してみる

日本の生産性は、欧米諸国どころか、経済が発展した国々の中でも非常に低い数字となっています。

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出典 日本生産性本部

日本の生産性の動向 | 日本生産性本部

ここでいう生産性とは、労働生産性のことです。具体的には、就業者一人当たりの、名目付加価値がどれぐらいかを示す数値です。付加価値というのは、その人が働いてどの程度価値を生み出したかということで、例えば、一個10円の部品を10個組み合わせた製品を作って150円で売れたとすると、付加価値は150-100で50円になります。この付加価値が非常に低いわけです。

先進国7カ国の中でいうと、最下位で、OECD加盟国34カ国の中で見ても、21位と非常に低い位置にとどまっています。

俺たちの仕事はおかしい

ここから暗に示されているのは、「私たち日本人の仕事は何かおかしいんじゃないか?」ということです。

仕事というのは、付加価値を出すのが仕事だと言っても良いでしょう。それで言うと、時間当たりの付加価値で見ても諸外国と比べて低すぎるわけですね。じゃあ、俺たち仕事ができないってことじゃん。こんなにひいこら言ってるのに。

この生産性の低さはなにも今に始まった問題ではなく、2000年代とかをみてもずっと低いわけです。それで最近、働き方を変えよう、とかが叫ばれているわけですよね。

では、なにに原因があるのか?これもあらゆる識者があらゆる方面から様々な指摘をしています。しかし!

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我々は、なぜ我々の生産性が低いのかということをうすうす感づいているはずで、それがなぜか是正されない状況がずっと続いている。それは、もしかすると大企業で顕著な現象かもしれない。そう思っています。

ある大企業で本当に聞いた話をします。しかも、複数の企業で聞きました。彼らからいつも言われるのはこういったことです。

「内部文書でしか使わないはずの資料を何時間も延々と手直ししたうえに、結局その資料は使わなかった」

「内部で使う電話番号のメモで、000-000-000とハイフンが付いているものと付いていないものがあったのでフォーマットを統一するように言われた。別に機械で読み込むわけでもないのに」

こうした、「てにをは」直しの文化が大企業には蔓延しています。もちろん中小企業でもあるかもしれませんし、すべての大企業がそうだとは言いません。しかし、「教育」の名の下に、雑誌や新聞記者のように文章を最終プロダクトとしていないはずの、しかも高い教育を受けてきた知的ホワイトカラーが、延々と細かい細かい日本語表現を直す作業に従事している。

いや、日本語表現は単なる例です。同じような、細かい細かい意味のない作業で時間が潰れていくことは、「てにをは」だけでなくあらゆることで起こっているのでしょう。極めて非効率で、意味のない作業をすることが「仕事」として認められてしまっている文化があり、これが、日本の生産性を著しく下げてしまっている犯人の一部であると思っています。(大企業の生産性について分析したマクロ系の論文があったら教えてください)

目的にフォーカスしよう

じゃあどうしたらいいのよってことになるわけですが、これは至極簡単なことで、全員が目的にフォーカスした、言い換えれば、今の課題に答えることに「のみ」コミットした仕事を目指すことが重要だと考えています。

目的なき努力をしすぎている。余計なことに気を使いすぎている。これはビジネスする上でかなりいけてないことです。こうしたことについて、つまり日本の生産性の向上について、もう少し考えてみたいと思っています。

 

「なにか好きなことをやりたい」だけなら転職する必要はない

Noahです。

やや、扇情的なタイトルをつけてしまったことを早速反省しているわけですが、わりと本当にそう思います。

解決策は本当に転職だけか?

よく、「好きなことをやりたい」と言って転職する人にありがちなのが、最初こそ「自分はついに好きなことをやれた!毎日楽しい!」などと言っているのですが、1〜2年ぐらい経つと「卒業したいと思います。大変成長できました。次にやりたいことは〜〜です。ありがとう!」みたいなパターン。

まあ、本人の中でなにが起こっているかは謎だし、もちろん最初から明確にそういう計画で転職した人もいるわけだし、本人は絶対に失敗とは言わないと思いますが、少なくとも「ずっと働いていたい」という職場ではなかったわけですよね、なんらかの事情で。

だって好きなことができてて労働環境も人間関係も良くて給料もよくて社会的にも意味のある仕事ができてる、みたいな理想環境だったら少なくとも1年では辞めないでしょ(さらなるアップサイドが見つかった場合は別として、そもそも最初に移るときに検討しろよって話だし、やりたいことがあって転職して1年後に全く別のやりたいことが見つかるほど信念のないやりたいこともないもんですよ)。

現状「やりたいことがやれてない」ことの解決策は、実は転職だけとは限らない。起業だってあるし、部署の異動や、社内を動かして予算を出させて新しい部署を作ることだって選択肢なわけですし、以下であげるような全く別のやり方もあります。

転職もせず職業じゃない形でやりたいことをやってみればいい

流石に週7日間20時間ぐらい働いてるというなら、ちょっとネガティブな意味で転職を考えた方がいいと思いますが、お休みが週2日あって、仕事以外の時間が8時間以上あるなら、まあ好きなことぐらいやる時間はありますよね。

なにも、ずっと転職するな、というわけではないのですが、私がオススメするのは、まず自分でやってみるということです。会社だって立ち上げなくていいです。まずSNSとブログ、その他にもイベントを開催するとか、参加するとかなどで、やれる範囲でやってみてください。目的は、発見を得ることです。これ、趣味とは違いますよ。明確にその後なにかをするための「試しの素振り」なわけですから。でも仕事でもありません。お金をもらわないわけですから。

とにかく、まずは休日や空き時間、通勤時間などを使って、やりたいことをやってみる。

「俺はそうじゃなくてビジネスをやりたいんだ」おっしゃる通り。でも、お金を稼ぐことが目的となったら逆にお金を稼げないもんです。まず、社会に意味のある活動なり、製品サービスのコンセプトを作ることに注力すべきです。もしお金が儲かりそうになったら、それは会社勤めの人には副業にあたってしまいますので、儲かりそうになった分はそもそも受け取らず寄付にまわすようにしましょう。

メリット

こうして、まず自分の空き時間を使ってやりたいことをやっていると、かなり大きな発見があります。まず、交友関係が大きく広がります。「面白いことやってるな」って、目に留めてくれる人が必ずいます。そういう人たちは、さらにみんなで楽しいことをするためにいろいろ協力してくれます。なんならあなたのやってることをかなり全力で一緒にやろうとしてくれる人がいるかもしれません。

で、その取り組みの中で、必ずと言っていいほど大小の失敗をします。これこそがこの活動の最大の果実です。

というわけで、まとめると、「まず空き時間を使ってやりたいことをやってみて、収入が発生したら全部放棄する。それが『副業せずに転職・起業を検討する』ということで、その検討なしに環境を変えるのは怠慢だし成功率は極めて低くなる」ということでした。

整体師さんが言っていた、「心」と「頭」のバランス

Noahです。

お世話になっている整体師さんが、こんなことを言っていました。

「心と頭のバランスが大事」と。

だいたい整体師さんの言っていたことを要約すると、人は判断する時に感情、つまり「心」と、理性や論理、つまり「頭」を使っている。しかし、あまりにどちらかに寄りすぎると、それが身体の様々なバランスを崩すことになり、病気になったりしてしまう、ということ。

この考え方は最初は、ふーん、なるほどねぐらいの感覚で聞いていたのですが、徐々に、これは意外に人生の中でも大事なことだなあと思うようになったので、ここに書いておこうと思いました。

そもそも、現代人は常に感情と理性を使っています。仕事をしている時。誰かとコミュニケーションをとっている時。何か重要な判断をする時。重要でなくても何らかの選択をする時。

こうした時に、いつも感情だけで判断していると、例えば「ルールを守れていないために人や社会に迷惑がかかってしまう」とか、「自分に損になる」というようなことが起きます。こうしたことから、ある一定程度、自分の感情に歯止めをかけておくことは大事なことです。例えば、いくらお腹が空いていても、いきなりスーパーに入ってお金も払わずにその場で商品を掴んで食べたりはしないわけです(動物や小さい子供なら分かりませんが)。

というわけで、私たちは社会で生きるために理性や論理を発達させてきました。

ところが、整体師さん曰く、現代人はあまりにも「頭」を使いすぎていて、それが身体のバランスを崩してしまうことにつながっている、というのです。もっと感情をうまく使う練習をすべきだと。

確かに、ある一定程度以上の判断になった時、判断に論理だけを使うと、極めて陳腐な結論しか出てこないことがよくあります。また、仕事などでも、直感というのはだいたい当たっていて、「なにか言葉では言い表せないけど、その選択は直感的にいけてないぞ」と思ったことは、やっぱり後になってみると何かが足りなかったりするわけです。

私としての仮説なのですが、論理を司る脳のリソースというのはそんなに大きくはなくて、むしろ、動物的な直感の方が、実は脳の計算のリソースが高く、その結果、頭では計算が追いつかないようなところまで直感や感情が勝手に計算してくれるんだと思っているんですよね。

なので、自分の感情にはある程度従ったほうがいい。個人差はあるでしょうが、「なんかよくわからないけど、いいな」と思ったことは実は結構な感じでうまくいくし、「これはなかなか、正しい論理だけど微妙に心で納得できてない…」と思うことは、何らかの問題を抱えていたりするのです。

ただ、周囲とコミュニケーションをとったりするときには論理を使わないと、なかなか共感を得ることができません。なので、そこは直感的に思ったことをいかに筋道を立てて相手に説明できるか、だと思っています。日々の判断で感情をうまく育てて使っていくことを、今後も心がけたいと思っています。

 

ネガティブな感情が成功を呼ぶ

ネガティブな感情が成功を呼ぶ

 

 

 

Noahと申します(5)

さて、自己紹介シリーズも5回目となってしまいました。インディゲーム・フリーゲーム紹介サイト「もぐらゲームス」の立ち上げを行った話を取り上げました。前回はこちら。

noahp.hatenablog.com

Oculus Riftとの出会い

立ち上げた2014年当時、まだVRはそれほどハードウェアが出てなくて、まだまだこれから、といった形だったのですが、前に「ゲームのちからで世界を変えよう会議」の運営を行っていたときに知り合った開発者のSくんから、「Oculus Riftって製品があって、これがすごいんです!」という話を聞かされていました。僕はSくんは未来のビジョンが見えている開発者としてとても尊敬しているのですが、その人が言うからそうなんだろう、ということで、もぐらゲームスを共同で運営していたすんくぼにも、「Oculus Riftというのがなんだかすごいらしいし、きっとVRでゲームを作るアマチュア製作者も出てくるだろうから、これも取り上げる範囲に加えよう」という話をしました。

すんくぼは行動力の人ですので、早速やってみよう、ということでOculus Rift を購入。私はスプラトゥーンとかですら酔ってしまうほどゲーム酔いがすごいので、なかなか難しかったのですが、すんくぼはそこからどっぷりとVRの世界にハマっていきます。

VRの別メディアを立ち上げ

しばらく淡々と、もぐらゲームスの更新をしていく時期が続きました。1年弱経ったある日のこと、私は思いました。「VRについては、もう少し本腰入れてやりたい……」

というのは、当時のもぐらゲームスの執筆方針は、インディゲームやフリーゲームなど、大手の企業さんが作ったものではないゲームについて取り上げ、それも単に「面白い」だけではなく、「どの部分が、どう工夫されていてどう面白いのか」という視点まで掘り下げてネットリとレビューするというものでした。なので、基本的には、ゲームをプレイして評価して、という時間を考えると週数回の更新が限界。

そんな中で、VRで取り上げたいニュースはどんどんと出てくるし、VRは、ゲームに限らず今後様々な業界で使われる技術となる。そう考えると、軽めのニュースでも取り上げて読者にお伝えすることや、ゲーム、非ゲームを問わずVRについて取り上げていくことは極めて重要になります。それに、今までは大企業の動向は伝えてきませんでしたが、ソニーFacebookサムスンなどがVRに積極的で、大企業抜きでVRを語ることはできない。

そう言ったことを考えていくと、従来のもぐらゲームスは継続させつつ、別メディアとしてVRメディアを立てる必要があるなと考えました。

そこでできたのが、VRニュースメディア「Mogura VR」です。

Mogura VRの開設

Mogura VRは2015年2月24日に開設されたVR専門メディアです。「もぐらゲームス」にて元々行っていた、VRのインディゲームに加え、大手企業の取り組みや、非ゲームの取り組みについても広くお伝えするというニュースメディアです。

現在では、ECサイトであり、主力商品にVR衛生布「ニンジャマスク(商標登録出願中)」などを取り扱っているMogura VR Storeや、VRの求人情報を扱うMogura VR Jobも行っています。

私は現状では社員等ではない状況で、すんくぼが代表として活動を行っています。

Mogura VRのミッションとして私が策定したのは、「VRを"あたりまえ"に。」というもの。VRの可能性は非常に大きいものですが、まだまだ可能性がすべて実現されているわけではありません。こうしたVRでできることを実現していき、VRがスマートフォンを使うように「あたりまえ」といえるような世界にするため、情報提供などを進めていくということです。

現状やっていることの戦略公開などはしない方針ですが、頑張っております。応援よろしくお願いします。

と言ったところで、自己紹介コーナーはおしまいです。基本的に、最近10年間は、ゲームのために過ごしてきたという感じで、特に最近5年は、自分からコンテンツを世の中に発信するというふうに過ごしてきたと思います。今後はもっと、自分の興味の赴くまま、それをうまく形にしていくという活動をやっていきたいと思っています。

ここまで読んでいただいて、どうもありがとうございました。次回からは、個人的な経験とかから思っていることとか、自分がインプットしたことでなるほど!と思えたことをアウトプットしていきたいと思っています。

 おすすめの本2です↓

スーパーベターになろう!

スーパーベターになろう!

 

 

創造性を高めるために克服すべき「4つの恐れ」

さて、前回まで自己紹介シリーズをやってきていて、まだ終わってないのですが、ちょっと話題を変えて、自己紹介は明日以降にやっていきたいと思います。

ハーバード・ビジネス・レビューって普段あまり読まないのですが、ひょんな事からバックナンバーを入手して読んでいると、2014年11月号の「創造性vs生産性」特集の中に、面白い記事があったので今日はそれを紹介します。タイトルは「恐れを克服し、自由な発想を生み出す IDEO流 創造性を取り戻す4つの方法」です。 

 

創造性めっちゃ大事ですよね

IBMの調査によれば、今日のリーダーに最も求められる資質は「創造性」だといいます。いや、もしかすると、創造性はリーダーだけではなく、今やあらゆるコミュニティー、あらゆる場面でもっとも重要な資質となっているかもしれません。

本稿では、創造性は人間が生まれ持って誰しも身につけている能力だといいます。しかし、それが社会や学校教育によって、抑え込まれてしまって発揮しづらいのです。

創造性を阻む、4つの恐れ

創造性を阻むのは「4つの恐れ」であると、本稿では説かれています。これらの恐れに対処し、克服すれば創造性が発揮できるというのです。

  1. 厄介な未知なるものへの恐れ
    創造的な思考は、オフィスの中ではなく外の世界から生まれます。しかし、外の世界では、予期せぬことや不確実性などが頻繁に起こります。こうした未知のものに対しては、どうしても恐れが生じえますが、この中にこそ創造性のヒントが有るという風に本稿では言われています。たとえば、アプリの製品開発を行っているとき、見知らぬ人びとからフィードバックを受けることは、オフィスで仮説のみに基づいて作業をすることの何倍もすぐれたことです。
  2. 評価されることへの恐れ
    小さい子どもは、お絵かきや踊りを踊るとき、恥ずかしいということをあまり感じないでしょう。しかし、10代となると、他人がどう思うかということを心底気にし始め、大人になってからもそういった「評価されることへの恐れ」がずっと心のなかに残るかもしれません。評価されることへの恐れをなるべくおさえるには、周囲が肯定的な環境を作ることも重要です。たとえば、誰かがアイデアを出したときに「これではダメだ」ではなく、しっかりと良い点を評価した後、「こうするともっと良い」ということを言ってあげるというような肯定的な環境づくりが重要です。私はこの話を聴いた時、以下のツイートを思い出しました。
  3. 第一歩を踏み出すことへの恐れ
    創造的なアイデアを活用したいと思っても、それを実践するには独特の難しさがあります。創造的な仕事ははじめが最も難しいものです。デザイン・シンキングを実践する最も効果的な方法は、「まず、やってみる」ことだと本稿では述べられています。「準備などはやめて、まず始めよう」ということが重要だといいます。
  4. 制御できなくなることへの恐れ
    創造性をチームで発揮するためには、ときには、うまくいかない自分のアイデアを捨て去り、他人のアイデアを受け入れるという柔軟さを持つことが重要になることがあります。しかし、これは、自分がその方向性をコントロールできなくなり、他者のアイデアに方向性を委ねることになります。主導権を譲るということは、なかなか怖いものであるということです。しかし、これについても、うまくいくアイデアをしっかりと取り入れることは、創造性の発揮に大きく役立つというわけです。

以上のように、創造性は4つの恐れに阻害されています。「尻込みしてやらない」と、創造性はいつまでも発揮できない、ということになります。こうした恐れを払拭するために、まずは「簡単なことから始める」ということが訓練になると本稿では述べています。

蛇恐怖症の実験と「案内付きの習得」

スタンフォード大学の心理学者、アルバート・バンデューラは、蛇恐怖症の克服の実験を通じ、「マジック・ミラー越しにヘビを見つめる」「ヘビを開いたドア越しに観察する」「他者がヘビを触る様子をじっくり見る」「厚い手袋を付けて自らヘビに触る」と、小さいステップでヘビと接する機会を作っていくことで、最終的にはヘビに触れるようになる、ということを実証しました。

小さな成功を積み重ねていくこの経験のプロセスを、バンデューラは、「案内付きの習得(guided mastery)」と呼びました。これを成し遂げた人は、ヘビへの恐怖心だけではなく、人生の他の領域でも不安が軽減し、より粘り強くなるという効果もあったそうです。やり通す力に対する自信が獲得されたというわけです。

さて、話が長くなりましたが、まとめますと、創造性を発揮するには4つの恐れを取り除くことが重要。最初の一歩を早く踏み出すことが重要。スモールステップで少しずつ成功を積み重ねていくことで自信ができる。こういったことが、本稿では書かれていました。

Noahと申します(4)

さて、前回の記事ではジェイン・マクゴニガルとの出会い、「ゲームのちからで世界を変えよう会議」という団体の運営について取り上げました。

noahp.hatenablog.com

自己紹介がだいぶ長くなってしまったのですが、ここからは今やっていることの紹介に移っていきます。「ゲームのちからで世界を変えよう会議」では、沢山の方に関わっていただき、会社とは全く違う交友関係を沢山得ることができました。

そうしていくうちに、もっと、好きなゲームを作っているクリエイターさんたちを応援したいという思いが出てきました。そうして作られたのが、「もぐらゲームス」というメディアです。

www.moguragames.com

もぐらゲームスについて

もぐらゲームスは、「ゲームクリエイターとゲームプレイヤーをつなぐ」というのがコンセプトです。「つくる」こと、「あそぶ」ことの距離感をもっと近くしよう、というような思いでスタートしました。

協力プレイを学んだ

もぐらゲームスは、「ゲームのちからで世界を変えよう会議」での反省が色々活きているサイトです。まず、チーム。私は会社員としての片手間に活動を行っていたので、実際に手を動かすと、時間的な制約にぶち当たってしまいます。しかも、別に収入が欲しくて活動をするわけでもないので、副業にもせず、私はボランティアとして参加しているので十分楽しい。

そういったわけで、実際の活動自体はなるべく他の人に協力してもらいつつ、私はコンセプトを練ったり、方向性・戦略を決めるということに特化し、実際の活動はすんくぼという中高の同級生であり、MMORPGリネージュ』においては極めて膨大な時間、一緒に遊んでいた友人を誘うことにしました。「協力プレイをする」ということを学んだのです。すんくぼと私は、ゲームの中では、すんくぼがアタッカー的な役割、私が回復・後方支援的な役割でしたので、今でもゲームをやっているのと同じような感じで、ほとんど役割もそのままです。私は色々と人を紹介したりとか、こういう企画をやろうというコンセプトを出し、彼に了承してもらってはじめて実行されます。すんくぼ氏の実行力はものすごいので、正直言って、彼なしにはもぐらゲームスもその後の活動も存在し得ないでしょう。

もぐらゲームスの由来

また、「もぐらゲームス」という名前にもこだわりました。最初は「このゲームがすごい!」とか言う名前にしようとか、色々な案が出たのですが、最終的に「もぐらゲームス」という名前になった理由は、まず、前にやっていた「ゲームのちからで世界を変えよう会議」という名前は、大上段に構えすぎていて、「ちょっと調子乗ってんじゃないのか」「偉そうなことをいうな」というような批判を真正面から受けることになっていました(そういった意図はなかったのですが)。そこで、「動物の名前をつけて、ほんわかした感じを出したら自分の活動のイメージを伝えられるかなあ」というのと、「その中でも、自分のコンセプトがしっかりわかるようにしたいなあ」という希望を満たす名前として、「まだ注目されていないゲームを発見し、掘り出し物を探してくる」というコンセプトに合う、ゆるくてかわいい動物の名前として「もぐら」の掘るイメージが採用されたのでした。

matome.naver.jp

もぐらゲームスのコンセプト

そして、今回はゲーミフィケーションで対象とした、ゲームを知らない層ではなく、むしろ私よりも全然ゲームを知っている層が対象になるわけで、そういった詳しめの人たちでも納得できるようなクオリティの記事を配信し続けていく必要がありました。

そして、そういった活動を通じて、「ゲームづくりは面白いものだ」という認識を徐々に浸透させていき、いつか、日曜大工でもやるかのように、ゲームづくりをみんなが楽しめるような世界にする、というのが目標のサイトを作っていきました。ゲームづくり、面白くするためにどういったことが重要なのかを学び、経験すると、これは現実世界を自分で面白そうなものにするためにも転用できます。こうしたリテラシーを高めることは、現実世界をクソゲーにしないために非常に重要なことだと思っています。

そうしたときに重要になるのが、「ゲームデザイン」です。ゲームデザインと一口に言っても様々な観点があるのですが、この文脈では、ざっくり、「面白くするための工夫」と捉えていただくのがいいと思います。もぐらゲームスでは、この「ゲームデザイン」をなるべく細かく分析していくことが重要だということで、他にはないほど丁寧にレビューをしていこう、というのがこだわりとなりました。

こうした活動を2013年3月20日からスタートします(ちなみに3月20日は私の敬愛する祖母の誕生日なのでこの日にしました)。しかし、ここでも意外に早く転機が訪れます。

また長くなってしまったので、次回「Mogura VR」の誕生経緯となります。