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【読書】「我」を張らない人づきあい(仏教対人心理学読本) 小池龍之介著

 読了。軽く感想などを。

「我」を張らない人づきあい (仏教対人心理学読本)

「我」を張らない人づきあい (仏教対人心理学読本)

 
  •  本書で通じて語られているのは「慢」という心について。
  • 「人からよく評価されたい」あるいは「人に嫌われたくない」という思いが強いがために、本心を隠していると心の奥底で満たされなくなってしまう。これは現代的な「対人関係の苦痛」である、と筆者は説く。
  • 自分を構成しているのは様々な「毒」である。その毒のことを「欲望(貪)」「怒り(瞋)」「無知(痴)」の三毒という。そして、「本当の自分をわかってほしい」と人が言う時、その衝動は「慢」という自己愛がそうさせるのである、という。この「慢」は厄介で、自分を愛して欲しい!という苦しみ=刺激を、人間はまるで快楽のように錯覚してしまい、次第に苦しむことがクセになり、思考の奴隷のような状態になってしまう。
  • では、この「慢」の心をしずめ、刺激の奴隷状態から自由にしてやるにはどうすればいいか。筆者は、心の情報処理プロセスを停止するトレーニングが有効であると説く。様々な刺激=苦しみに踊らされ、それを快楽に変換してしまっている自分のメカニズムに気づき、そこに発生している刺激を「現行犯逮捕」できるだけの集中力と観察力を養うことが肝要である、という。このために筆者は坐禅瞑想をすすめている。

一冊を通じて慢の心について解説し、その脱し方を書いた本。ただ、著者の他の作品に比べると、若干くどい部分があり、要点が分かりづらかった感じはある。とはいえ言ってることはわかる、という感じの本。

読書メーターの感想を見る限りでは、やっぱり「くどい」という感じが多かった。うむ、この内容が悪いわけではないが、ボリュームとしては20~30ページぐらいでまとめられそうだよね。まあそれだと本にならないから仕方ないかあ。