日本の生産性の低さは意味のない努力から来ていると思う
こんばんは。毎日更新ブログシリーズです。
最近、日本の生産性に対する記事を仕事柄よく読んでいます。
低い生産性をまずは確認してみる
日本の生産性は、欧米諸国どころか、経済が発展した国々の中でも非常に低い数字となっています。
出典 日本生産性本部
ここでいう生産性とは、労働生産性のことです。具体的には、就業者一人当たりの、名目付加価値がどれぐらいかを示す数値です。付加価値というのは、その人が働いてどの程度価値を生み出したかということで、例えば、一個10円の部品を10個組み合わせた製品を作って150円で売れたとすると、付加価値は150-100で50円になります。この付加価値が非常に低いわけです。
先進国7カ国の中でいうと、最下位で、OECD加盟国34カ国の中で見ても、21位と非常に低い位置にとどまっています。
俺たちの仕事はおかしい
ここから暗に示されているのは、「私たち日本人の仕事は何かおかしいんじゃないか?」ということです。
仕事というのは、付加価値を出すのが仕事だと言っても良いでしょう。それで言うと、時間当たりの付加価値で見ても諸外国と比べて低すぎるわけですね。じゃあ、俺たち仕事ができないってことじゃん。こんなにひいこら言ってるのに。
この生産性の低さはなにも今に始まった問題ではなく、2000年代とかをみてもずっと低いわけです。それで最近、働き方を変えよう、とかが叫ばれているわけですよね。
では、なにに原因があるのか?これもあらゆる識者があらゆる方面から様々な指摘をしています。しかし!
我々は、なぜ我々の生産性が低いのかということをうすうす感づいているはずで、それがなぜか是正されない状況がずっと続いている。それは、もしかすると大企業で顕著な現象かもしれない。そう思っています。
ある大企業で本当に聞いた話をします。しかも、複数の企業で聞きました。彼らからいつも言われるのはこういったことです。
「内部文書でしか使わないはずの資料を何時間も延々と手直ししたうえに、結局その資料は使わなかった」
「内部で使う電話番号のメモで、000-000-000とハイフンが付いているものと付いていないものがあったのでフォーマットを統一するように言われた。別に機械で読み込むわけでもないのに」
こうした、「てにをは」直しの文化が大企業には蔓延しています。もちろん中小企業でもあるかもしれませんし、すべての大企業がそうだとは言いません。しかし、「教育」の名の下に、雑誌や新聞記者のように文章を最終プロダクトとしていないはずの、しかも高い教育を受けてきた知的ホワイトカラーが、延々と細かい細かい日本語表現を直す作業に従事している。
いや、日本語表現は単なる例です。同じような、細かい細かい意味のない作業で時間が潰れていくことは、「てにをは」だけでなくあらゆることで起こっているのでしょう。極めて非効率で、意味のない作業をすることが「仕事」として認められてしまっている文化があり、これが、日本の生産性を著しく下げてしまっている犯人の一部であると思っています。(大企業の生産性について分析したマクロ系の論文があったら教えてください)
目的にフォーカスしよう
じゃあどうしたらいいのよってことになるわけですが、これは至極簡単なことで、全員が目的にフォーカスした、言い換えれば、今の課題に答えることに「のみ」コミットした仕事を目指すことが重要だと考えています。
目的なき努力をしすぎている。余計なことに気を使いすぎている。これはビジネスする上でかなりいけてないことです。こうしたことについて、つまり日本の生産性の向上について、もう少し考えてみたいと思っています。