続・のあろぐ

ゲーム、漫画、アニメで社会を豊かにしたいNoahの個人ブログ

「肚落ちするか」という視点

昨日、soup stock tokyoなどを運営するスマイルズ社長の遠山正道氏のインタビューを読む機会がありました。

そこで語られていたことで印象的だったのが、「ビジネスの確信は収支計算ではなく肚落ち」ということでした。

どうしてもビジネスというと、収支計算の視点が出てきてしまいます。売上はどうなのか、コストはどうか、どれぐらい持続性があるのか。

それで黒字がたくさん出たからといって、肚落ちしなければビジネスに確信が持てることはないのかもしれません。

私は、言い換えれば「納得感」が大事なのかなと思いました。自分の中で納得して進んでいくという姿勢は、あくせく目の前の目標にだけ向かって進んでいくとどうしてもなくなりがちだったり、考える時間すら持てなかったりするものだと思うのです。その部分が曖昧になっていると、そのうち納得できない部分がムクムクと膨れ上がってくるかもしれません。あれ、今何をやってるんだっけ。これは何のためにやるんだったっけ。そうなった時に結局納得感が大事になってきてしまいます。

納得感をどう得るかということは人によって全く違う部分があるかと思います。それこそ収支計算だけで納得できるかもしれないし、人とのコミュニケーションなどを経て直感的に納得をする人もいます。こうして得た納得感をもって仕事をすると、モチベーションもわきますし、おそらくグイグイと仕事を前に進めていくことができるんだと思います。

ただ、この納得感を得るためにはある程度の余裕も必要だと感じます。先ほども書きましたが、日々の仕事に追われすぎていると、なんだかよくわからなくなってきます。時間だけでなく、お金がなくなれば働かないといけないので、お金がないなら「納得感が云々」とか言ってられないでしょう。なので、納得感をもって働くというのは最高の贅沢品なのかもしれません。

こう考えて、日本社会に即して考えてみると、いま大学生が就職をする時にどれだけ肚落ちして決めているのだろうと。大学時代は時間的には結構余裕もあるはずなので、納得感を醸成する時間はあると思いがちですが、別に将来の職業選択について真剣に悩む、というような機会があまりなければ納得感も醸成されません。

それから、会社に就職する場合はその会社が十分な情報提供を行っているかという観点もあります。働いてみて初めてわかることもあるので、大学生は働きたい会社でインターンやアルバイトをしてみるべきだと思うのですが、なかなか門戸は狭く、体験の機会がないまま就職をすることになります。

こうしたことが積み重なり、マクロで見た時にほとんどの人が「肚落ち」しないままに仕事をしているのだと思います。だからこそ長時間労働の是正だったり働き方ということが問題になってしまうのではないかと。いまの働き方や仕事の選び方に、全く肚落ちがないのでしょう。